あなたは今までに、動物を食べることに抵抗を持ったことはありませんか?
食事の際に、「これって死んだ動物なんだよね、、」と後ろめたくなった経験が、一度くらいはあるのではないでしょうか?
そんな流れで菜食主義者になる人もいます。
がしかし、動物の専門家ほど、そんな態度に疑問を感じています。
当記事では、著名な動物研究家であるムツゴロウさん(畑正憲氏)が「動物を食べたくない」と言う愛娘を殴った逸話をとりあげつつ、彼の深い知恵をいくつかご紹介します。
全てはこの言葉に集約されます。
今後も増えるであろうヴィーガン初心者にこそ、ぜひ知って欲しいエピソードです。
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ムツゴロウさんが娘さんを殴った背景
ムツゴロウさんの娘さんが小さい頃、ある日突然、肉を食べるのを拒み始めたそうです。
その理由は、動物に囲まれて育った中で、「死」というものを実感できる年頃になったからでしょう。
最初は気にしていなかったムツゴロウさんですが、その態度がエスカレートしてきたのを見るや、思いきり殴った上で説得したのだとか。
「そんなんじゃダメだ!生きることは、食べることは、そういうことなのだ。ちゃんと食べなさい!」
その後、娘さんは元通り動物性食品を食べるようになりました。
これは彼女が子供の頃の話なのに、むしろ現代の大人たちにこそ、ピッタリな逸話ではないでしょうか?
殴ってでも伝えたかったこと
娘さんを殴ったくだりは、今の時代なら体罰の是非で炎上しそうな話です。
しかし、体罰で「心の傷になる」よりも、「殺す」や「食べる」や「生きる」を子どもに理解させるほうが重要なのも明らかです。
殴るどころか、殺して食べてるのが日常なのですから。
考えてみれば、体罰なんて野生動物にとっては日常茶飯事なんですよね。
常に殺されて、食われるリスクを抱えています。
呑気に見えるその辺の猫でさえ、猛禽類に襲われる危険が絶えずあります。
私たち人間は、他の生物を殴って支配することで安全を保ち、殺すことで日々の糧を得ているというのに、それを実感できていません。
ムツゴロウさんなら、こう叱ることでしょう。
「そんな人間は、馬に喰われて死ぬといい」
(著書「生きる」にて、10代の恋愛を認めない人間に対してこう言い放っています。恋愛や性は生命と深くつながった現象であり、古い習慣で制御すべきものではない、との文脈です。ムツゴロウさんは中学時代の恋人とご結婚されています。)
増殖する薄っぺらい動物愛護者
ムツゴロウさんの行動には学ぶものがあります(もちろん殴らずに済ませるのがベターだけど)
生物の研究者として、動物に囲まれながら子育てをする人間として、そこは譲れなかったのだと思います。
(以下はwikiの情報ですが、ほぼ同じ内容を著書で読んだので間違いありません)
「表面的な生き物好きの精神の虚弱さ」ってのはアレですよ?
私たちのことですよ?
動物を締めた経験がないけど肉料理が大好きで、そのくせ屠畜業に携わる人を差別するような人とか。
感情だけで暴走するヴィーガンとか。かわいいペットだけを溺愛して、キャットフードに他の生物の肉が使われてることなど、一切眼中にない猫愛好家とか。
みんなでムツゴロウさんに殴られに行きましょう!
いやマジで。
納得できない人には現場経験が足りない
「ムツゴロウさんは研究者だから、動物を愛玩対象ではなく研究対象としか見ていない。つまり冷血だ。」
みたいな意見もありますが、彼ほど動物を深く理解しようと、愛そうとした人間はいません。だれよりも現場をご存知です。
情熱が過ぎるあまり、ライオンに指先を食べられたり、ゾウに吹っ飛ばされてる映像が残っている程です。
2020/12/19追記 削除されたようです。
だから、
「もっと深く生の自然に触れさせて、表面的な生き物好きの精神の虚弱さを払拭させる。」
という言葉には説得力があります。
一例を取り上げます。
アメーバですら別の生物を食べている
ムツゴロウさんは前述の著書で、こんなお話をされています。
大学院時代に研究対象としていたアメーバは、エサとして他の単細胞生物を食べるのですが、捕食の際には不思議な魔法を使うのだとか。
エサである生物が空腹のアメーバの近くを通ると、突然金縛りにあったように動きがおかしくなるそうです。
そこをめがけて、全身(といっても細胞一つ)でもってエサを包み込み、徐々に吸収してしまうのが、アメーバの食事スタイルです。
なぜエサの生物が動けなくなるのか?神経に働きかける毒でも出しているのか?
当時は全くの謎だったようで、ムツゴロウさんはこの光景に感動なさったそうです。
目に見えない単細胞生物でさえ、他の生物と同じように食べあっているのだと。
解明できない不思議な挙動をしているのだと。
当たり前に見えて、なんて神秘的なのだろうと。
こちらは待ち伏せ型のアメーバの狩り。伸ばした足に引っかかり次第、抱き囲んで食べちゃいます。
カニの産卵と共食いは紙一重
ある種のカニは、大潮の時間に一斉に海辺で産卵する習性があります。
これは水位が引く際に、少し多くの卵が海に流れていくように、つまり生存率を高めるための戦略と考えられています。
どうやってか大潮の時間を感知し、海に向かって一斉移動して、道路を埋め尽くすカニたち。その姿には圧倒的な説得力があります。
がしかし、大潮のピークが過ぎた途端に、今度は自分の卵を食べはじめるカニが現れます。
さっきまでは命がけで道路を横断してまで、子孫を残そうとしてたのに、、。
どうやらカニたちは、産卵に最適なタイミングを逃した場合、次のチャンスに備えるために体を身軽にし、卵は栄養補給に転用するようです。
なんて合理的かつ、冷血な判断でしょうか。
ムツゴロウさんがこの現象を見つけたのは、観察のために隔離したカニを解放する際だったそうですが、カニを拘束していた時間は、わずか30分程度でした。
今から産卵したとしても大差ないのですが、カニ目線ではそうではなかった。
ベストタイミング以外で産卵するくらいなら、卵を食べてしまう方がマシだった。
つまりカニたちは、「命がけで産卵するように、命がけで共食いをして」生きているのです。
まとめ
生命はとても深淵で、ヒトの尺度では測りきれません。
別の著書である「特別授業 “死"について話そう (14歳の世渡り術)」では、ムツゴロウさんはこう語っています。
「生命を深く理解したければ、まずは食べることから始めてごらん。」
この言葉は、現代人に深く突き刺さります。
捕鯨問題や競走馬の保護問題を考える際、とても重要な意見だと思います。
(実際にムツゴロウさんなら、馬だろうが犬猫だろうが食べるでしょうから)
難しい問題だからこそ、まずは考えを深めていく。結論は急がなくていいから。
一番とっつきやすいのは、確かに食事ではないでしょうか?
クリックから始めてごらん
カニ:nevyntooによるPixabayからの画像
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