付き合いのあるお寺(菩提寺)を持たない人が増えました。
そんな時代ですから、身内が亡くなれば僧侶派遣サービスで僧侶を見繕い、戒名を付けてもらおうとする方も珍しくありません。
しかし、戒名が決められていく現場は、ほとんど悪夢のようです。
少し考えればわかるはずです。
会ったこともない故人に、僅かな情報から数文字の名前をつけるだけで、ウン万~ウン十万の値段ですよ?
なぜ欲しがる人が後を絶たないのか、不思議でなりません。
なぜ販売して罪悪感を感じないのか、不思議でなりません。
こんな愚かな文化は、いい加減卒業してはいかがでしょうか。
そもそも戒名とは?
戒名とは、「私は仏教徒になって修行をします!」と宣言するための名前です。
つまりは学生証みたいなものです。
戒名(かいみょう)
仏教において、戒を守ることを誓った(受戒した)者に与えられる名前である。仏門に入った証であり、戒律を守る証として与えられる。
引用元:Wikipedia
なぜそれを、死んだ人につけるのか?というと、
「仏教式の葬儀を行う場合、故人は仏教徒でなければならない。よって、生前に戒名をもらっていない人には戒名を授け、仏教徒である体裁を作らなければならない」
みたいな理屈です。
最近は俗名(普段の名前)での葬儀も当たり前だというのに。
実際のところ、戒名は功名心くすぐった偽ブランド品です。
高いほどカッコいいとか、ご利益があると思ってる人が買う、どうしようもない商品です。
一流ブランドの商品の場合は、確かな品質やサービスが担保されているもの。
しかし戒名には、そんな要素は微塵もありません。あるとすれば精神性だけです。
なのに精神性が腐ってる始末・・・。
戒名はノリでつけられる。他に方法がないから
戒名がどうやって決定されるのか?をお教えします。
僧侶派遣サービスを使い、面識のない僧侶から戒名を付けてもらう場合には、
1. まずは依頼をかけ、お寺の紹介を受ける
2. お寺に戒名を付けて欲しい人(大抵は故人)の情報(人柄、仕事、好きだったものなど)を伝え、それをもとに電話でヒアリングをする。
3. 僧侶が熟考の上、決定する。
おおよそは、この流れです。
(菩提寺が戒名を付ける場合、つまり正しい工程では違います。)
問題点1 その情報でどう決めろと?
僧侶は超能力者ではありません。
人柄を少し聞いただけで、どれだけその人を理解できるというのでしょうか?
それだけの情報で、数万~数十万するような命名サービスを、どうやって行えばいいのでしょうか?
また遺族からの情報といっても、僅かなものです。
「動物が好きで、犬を大切にしていた。銀行員として勤め上げた。子煩悩で孫の教育にも熱心だった」
などと聞かされたって、その人の生涯を表す名前を、どう付けろと言うのでしょうか?
でも命名すれば、それで数万~数十万の売上です。
問題点2 戒名の品質ってなに?
ひどいエセ僧侶になると、候補を適当に考えた後にアミダくじで最終決定をしています。
「〇〇ちゃん(面識のないご故人)の戒名はど~れだ~?」
などと笑いながら作業をしている場面を、幾度となく目にしたことがあります。
何よりの問題は、テキトーに命名しても真剣に命名しても、違いがわからない点です。
依頼者である遺族も、命名された故人も、クレームをつけた事例を知りません。
でも命名すれば、それで数万~数十万の売上です。
こんなコメディのようなサービスが、宗教の名のもとに高額で販売されています。
高額な戒名は現代の免罪符
「贖宥状を購入してコインが箱にチャリンと音を立てて入ると、霊魂が天国へ飛び上がる」
これはルターが宗教革命を起こした(西暦1517年)頃に、腐敗したカトリックが免罪符を買わせるために掲げていたスローガンです。
現代人から見ればバカ丸出しですが、教育が普及していなかった時代です。圧倒的な権力を持っていた教会サマのお言葉ですし、止む終えない事情もあったのでしょう。
・・・免罪符とほぼ同じことが、21世紀の日本にも蔓延っています。
歴史から学べば、どう対処すべきかは明白ではないでしょうか?
「高い戒名を購入してコインが箱にチャリンと音を立てて入ると、エセ坊主の醜い魂が天国へ飛び上がる」
これが現実です。
本来は戒名代という建前の寄付金だった
本来、戒名には値段がありませんし、卑しいものでもありません。
戒名代がなぜ高額かと言うと、、本来戒名は付き合いのあるお寺(菩提寺)から頂くものなので、、、
長年お世話になったお寺に、恩返しとして謝礼を送るために、戒名代という建前を使っていたからです。
つまり、普通に大金を渡すとはしたないから、戒名代という名目をでっちあげた。
それだけの理由です。よって、戒名授与が高額になるワケがないんです。
しかしある時、一部の商才ある(そして世俗的な)僧侶が気づきました。
「あれ?戒名を高額にすると、欲しがる人が増えるぞ?」
こうして「戒名ガチャ・ビジネス」が誕生しました。
高額な戒名代は、スマホゲームの高額課金と同じ
パズドラなど、一斉を風靡したスマホゲームは、高額課金ユーザーを取り込むことで成功しました。
大金をつかって魔法石(ゲームを有利にするアイテム)を購入することで、他のユーザーに優越感を感じてもらう仕組みです。
「課金ユーザーは、札束で殴り合う」と表現されるこの仕組みは大成功し、DeNAなどゲーム会社がプロ野球球団を買収するまでに成長したのは、記憶に新しいところです。
戒名も同じシステムです。
「戒名課金ユーザーは、札束でマウンティングしあう」このシステムは、一大産業となって日本仏教を支えてきました。(たとえそれが、腐敗の温床だったとしても)
ゲームへの課金なら大した問題ではありません。しかし、宗教への課金がそのシステムではね、、。
以上を踏まえて、立派な戒名を望む人は、魔法石に課金する要領でお寺に課金しましょう!
これぞ真のキラキラネームです。
だからこそお伝えしたい。
もし、そのお金を社会のために有効活用すれば・・・
エセ僧侶に騙されずに、然るべき使い方ができれば・・・
故人もあなたも、きっと成仏できると思います。
それが本当の供養であり、お布施であり、仏教の実践です。
真肉院旗押順昇居士
PezibearによるPixabayからの画像
Robin HigginsによるPixabayからの画像
Sasin TipchaiによるPixabayからの画像
スポンサーリンク
コメント