99%の人はわかってない、映画パラサイトの「このジャーキー犬用じゃん」の真意

時事ネタ
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2019年のアカデミー作品賞を受賞した「パラサイト」について、どの考察サイトにも見かけなかったメタファーを一つ指摘します。

(ネタバレありです。嫌な方は見ないでね!)

 

 

 

「このジャーキー犬用じゃん、、」

という印象的なセリフは、下級層は犬用のジャーキーを食べても気づかない。という意味だけではなく、もう1段深い意味を持っています。

それは韓国に残る犬食文化とも関係してきます。

 

 

ひょっとしたら、私の深読みなのかもしれません。

まぁ深読みでも構いません。どんな解釈をしようと、そのシーンはある現実を私達に突きつけるのですから。

 

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描かれるステータスとしての食事

 

2021/1/8に地上波で放送された「パラサイト」を観ました。

評判通りおもしろい映画で、アカデミー賞をとるのも納得です。

 

作内では非常に細かいメタファーが散りばめられており、多くの考察サイトで詳しく取り上げられています。が、不思議と言及がなかった論点があります。それは、、

 

 

「このジャーキー犬用じゃん、、」

というセリフの循環構造です。物語中盤に出てきます。

キム家が留守のスキに、豪邸のリビングでささやかな家族パーティをしている最中、食べていたジャーキーが犬用だとパク家の長女ギジョン(パク・ソダム)が気づくシーンです。

 

このシーンを普通に読み解くと、

・貧乏人は味の違いなどわからないから、雰囲気で贅沢した気になってただけ

・酒のグレードが上がったところで、つまみは貧乏人の(いつもの)発想でしか選べない

 

 

といったふうに、パク家の滑稽さを浮き彫りにする描写です。

しかし、もう少し注意深く解釈してみましょう。

 

 

下の階層に興味はない。人間でも動物でも

 

映画パラサイトのテーマは「格差」です。

人間の社会には格差があり、金持ちは貧乏人のことなどまるで関心がない。

 

ということが、繰り返し表現されています。本人たちは差別している自覚がなくとも、無意識の内に行なわれてしまう差別がある。

という現象が物語のカギとなるわけですが、、、

 

 

人間同士ではなく犬に対してはどうでしょうか?

 

 

韓国には犬食文化が残っています。つまり韓国における犬はペットであり家畜でもあるという、複雑な立場におかれた動物なのです。

参考記事 → 2018/2/19 韓国の犬食文化が嫌いなら一考してほしいこと

 

つまり、金持ちは貧乏人のことなどまるで関心がないように、

人間は動物のことなどまるで関心がない。

 

という二重の差別構造を浮き彫りにするメタファーなのです。

 

このメタファーの裏付けとして、金持ちキム家では犬を三匹買っていて、溺愛ぎみに接している描写があります。お金持ちあるあるですね。

 

金持ちは貧乏人に興味がない

→ 貧乏人も犬は格下の存在だと思っており興味がない。

→ にもかかわず、犬は金持ちに溺愛されている。

 

という構造にどれだけの人が自覚的でしょうか?

 

本当に豊かなのは犬であるメタファー

 

人間社会が差別やら格差でウダウダやっていることは、犬の世界には一切関係がありません。

 

人間は動物のことなどまるで関心がない。

ように、

動物格差のことなどまるで関心がない。

そして幸せである。

 

というオチが付随してくるのです。

 

 

このあたりを暗示するシーンもあります。

映画のラスト近く、地下住民だった男がバーベキューの串で刺されて倒れます。その串に刺されたお肉を、ワンちゃんが食べてるシーンがあるんですよね。確実に印象に残るような形で。

 

邪念のないワンちゃんにとっては、安い肉だろうが、高級な国産牛だろうが、凶器として人間に突き刺さっている棒についた肉だろうが、なんの関係もないんです。全部おいしいお肉なんです。

表面のイメージでしか物事を判断できない人間を、あざ笑う存在として配置されています。

 

 

これが本当の格差です。

真の意味での豊かさである、囚われのない心をワンちゃん達は持っています。

人間と動物の間にある、超えられない格差と言えるでしょう。

 

 

「人間社会のドロドロなんて、本質的には取るに足らない。」

と犬を通して表現しているように、私には見えました。

 

 

まとめ

 

社会格差を嘆く私たちも、さらに力の弱い犬のことなど考えもしません。

なのに、その犬たちは人間よりもずっと自由な存在です。なんたる皮肉でしょうか。

 

 

ちなみに、映画「パラサイト」には他にも貧富の差を、食事の差で表したシーンがいくつか出てきます。

 

・パク家の収入が増えるにつれ、ビールのグレードが上がっていく。でもパク家の(本質的な)グレードが上がったわけではない。

・日本製の(と二回言ってた)カニカマを犬にあげてるの!というセリフ。これも高級品だという意味と、犬に喰わせる程度のものだという意味の二重構造。

・ジャージャー麺には国産牛を入れてね!(実はジャージャー麺はインスタントなのに気づかない)

 

 

全てがまやかしに過ぎないと、よくわかるように映されています。

たとえ金持ちであっても、表面のイメージでしか高級や低級を判断できない人は、豊かでも自由でもありません。実態としては貧困層です。

 

本当の格差は経済ではなく、人間の認識にあるということなんでしょうね。

 

 

ちなみに、この映画の名シーンである「ギヒョンがウンコがあふれるトイレに座ってタバコを吸う場面」なのですが、ウンコに見える物体は高級ドロパックだそうです。

撮影の後はスタッフみんなで浴びにいったのだとか。

 

 

 

このバナー犬用じゃん、、

 

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