100万回生きたねこ。100万匹食べたひと。

あるところに ひとがいました。

どこにでもいる ふつうの しゃかいじんです。

ひとは お肉が だいすきで 100万回も お肉を たべてきました。

100万匹の いきものが おいしく りょうりされて ひとのごはんに なりました。

100万回も ひとは おいしい ごはんをたべて しあわせなきもちに なりました。

でも ひとは いちども そのかていに きょうみを もったことが ありませんでした。

ひとは あるとき ジューシーな うしのステーキを たべました。

ひとは うしなんて きょうみが ありませんでした。

うしは おおきな ぼくじょうで うまれて すくすくと そだちました。

おちちを のんで ぼくじょうに きた こどもたちと ふれあって おいしい ほしくさを いっぱい たべました。

あるひ うしは トラックに のせられていき そのあと お肉に なりました。

せりに かけられて レストランに はこばれて おいしい ステーキになって ひとを しあわせに しました。

ひとは あるとき あぶらののった まぐろの おすしを たべました。

ひとは まぐろなんて きょうみが ありませんでした。

まぐろは ひろい うみで うまれて すくすくと そだちました。

たいへいようを およぎまわって おいしい おさかなを いっぱいたべました。

あるひ まぐろは あみに かかって みなとに はこばれて そのあと お肉に なりました。

さかなの しじょうで かいたいショーをして おいしい おすしになって ひとを しあわせに しました。

ひとは あるとき おいしいたれの たっぷりついた やきとりを たべました。

ひとは にわとりなんて きょうみが ありませんでした。

にわとりは ようけいじょうで うまれて ていねいに はいごうされた ごはんをたべて すくすくと そだちました。

けいしゃのなかで たくさんの なかまたちと いっしょに あるきまわって ものすごい はやさで おおきく なりました。

せいちょうが はやすぎて いちぶの なかまは しんぞうを わるくして しんで いきました。

うまれて 50日くらいで にわとりは とちくじょうに はこばれて そのあと お肉に なりました。

やきとりやさんに うつされて おいしい やきとりになって ひとを しあわせに しました。

あまったほねも だしをとって やさしいあじの スープになって ひとを しあわせに しました。

ひとは たくさんの たくさんの いきものの お肉を たべてきました。

ときには はんたいに ひとが くまなどの いきものに たべられることも ありました。

でも ひとは お肉を たべるのは 好きだけど いきものには やっぱり きょうみが ありませんでした。

ひとは だれよりも じぶんたちだけが とくべつだと おもっていたのです。

ある日 ひとは ちいさないぬを かいはじめました。

りっぱな けっとうしょつきの ゴールデンレトリーバー です。

まいにち いっしょにあそんで いっしょにねて おいしい ドッグフードを たべさせて すくすくそだてました。

いぬは つらいきょせいしゅじゅつや こわいちゅうしゃも りっぱに がまんしました。

さんぽをして ドッグランを はしりまわって どろだらけになって しあわせそうでした。

あるときは おなかをこわして おいしゃさんに くすりをもらって いえでぐっすり ねむりました。

いつのまにか ひとは いきものが とてもかわいいと かんじるように なりました

ひとは あるとき うみのむこうでは いぬを たべていることをしって おどろきました。

ひとは なによりも いぬたちが とくべつだと おもっていたのです。

「わたしは 100万回も いぬを かわいがって きたんだぜ。 いまさら しんじられなくって!」

ほかにも うしを ぜったいに たべない くにがあったり

ほかのくにのひとに くじらを たべるのは やめてほしいと

けんかを していることを しりました。

「わたしは 100万回も うしや くじらを たべて きたんだぜ。 いまさら やめられなくって!」

いぬは 15年もたつと  としをとって だんだん からだが よわってきました。

よなきがふえて ぐるぐると まわるようなって うんちも じぶんでは できなくなりました。

そして さいごには うごかなくなって しんでしまいました。

ひとは なきました。

よるになって あさになって またよるになって ひとは 100万回も なきました。

それでも ひとは そのうち なきやんで いつもの まいにちに もどって いきました。

ひとは お肉が すきでした そして いきものが すきでした。

ひとは もうけっして お肉をたべることは あたりまえだと おもわなく なりました。

ひとは もう二度と お肉のつくりかたに めをそむけなく なりました。

ひとは それからも お肉をたべて しあわせに くらしましたとさ。

ひとは もうけっして くりっくの おさそいを するーしませんでした。

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