ホワイトタイガーを繁殖させるには、遺伝的な事情から近親交配を繰り返さざる負ません。
「だったらもう繁殖させるのやめます!」と動物園が宣言しました。
2018/6/7 日テレNEWS24 「ホワイトタイガーやめます」動物園の思い
めでたしめでたし。
とはいきません。その先があります。
ホワイトタイガーだけで満足するのではなく、すべての生物と人間の関係を、正しく捉え直さなければ解決しないからです。
この記事では、ホワイトタイガーの1件で感動した方、疑問を抱いた方が、次に解決すべき問題を整理します。
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ホワイトタイガーだけじゃない
「ホワイトタイガーやめます!」のニュースは肯定的に受け入れられたようです。
やはり今後は、動物との適切な付き合い方を考え直す時代なのでしょう。
だからこそ声を大にして言いたいのは、この話はホワイトタイガーだけではなく全ての動物が対象だってことです。
なぜなら動物との関りは、ほとんどは人間の都合で制御されたものだからです。
もう少し視野を広げると・・
例えば、ホワイトタイガーは肉食だから、飼育にはエサとなる動物が必要です。
裏で犠牲になっているのはみんな知ってますよね?
彼らが受けた扱いは、近親交配どころではありません。
事実にはキチンと目を向けなければ、必ずツケが回ってきます。
でなければ、ホワイトタイガーの一件だって単なる感動ポルノに過ぎません。
動物園にいる動物は、野生に居たところを人間に捕まって、飼育や繁殖をさせられた結果として展示されています。彼らが好んできたワケではありません。
捕獲の際には、10匹捕まえて良さそうなのを3匹選抜、そして残7匹は殺す。なんてケースもあります。
殺すのは悪とは限らないが、見て見ぬ振りは悪に近い
じゃあ動物を殺すのは必ずしも悪いことか?
というと、そんな簡単ではありません。
奈良県では伝統的にシカが保護対象になってきましたが、2017年には駆除の許可が下りました。
なぜなら農作物を食い荒らすから。そしてその被害額は数百億円にも上り、何の保証もないため農家は泣き寝入りするしかないためです。
このように利害がバッティングする場合は、獣害として処分しなくては人間が生きていけません。
というか獣害以前に、ペットの犬猫ですら殺処分が絶えないのが現実です。
こんな状況下ですから、ハッキリ言えばトラ一匹でおセンチになっていてはいけません。その辺の知識があれば、おセンチになれるはずもないんです。
なにより、食卓に上がるお肉たちだって、もともとはカワイイ動物です。
じゃあどうすればいいの?
結局のところ人間と動物との関りは、全てが人間の支配力で創り出されたものです。
どれだけ動物愛護をがんばっても、人間目線のエゴの壁を超えることはできません。
せめて、その前提を忘れないようにするのが関の山です。
動物をかわいがって守るだけでは、人間は生きていけません。
かといって、支配して殺すだけでは今度は感情が納得できません。
どうやら適切な距離感というものがあるようですね。
動物達は同じ地球に住む隣人であると共に、生存競争のライバルでもあるのだから。
殺しあってみたり愛し合ってみたり。なんだか人間同士の関係とダブって見えます。
そりゃ面倒くさいわけだ・・・。
ヒトの揺れ動くこころ
これをスマホで書きながら歩いていたら、財布の中からおっさんの声がしました。
「智に働けば角が立ち、情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みにくい」
人の世だって?
動物を含めたら、輪をかけてやっかいだな。
そういえば、彼の代表作「こころ」は、友人を裏切って自殺させたことを悔やむ男の話でした。近代を代表する文学作品として教科書等にも載り、多くの日本人の心を揺さぶった物語です。
その一方で、年間数百億匹の動物が人間の手で殺されているのが現実です。
(なのにホワイトタイガー1頭の扱いがニュースになってます。どういうことだ)
彼らは文句ひとつ言わずに死んでいきます。
その後呪われた人間も、後悔を背負って自殺した高等遊民もいないようです。
このままではダメだと感じるなら、私達は変わらなくてはいけません。
表面的なかわいさだけに囚われるのは、そろそろ終わりにしませんか?
クリック心のないものはばかだ。
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