「池の水ぜんぶ抜く」が子どもに悪影響なら大人は立つ瀬がない。

動物との付き合い方
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テレ東の人気番組「池の水ぜんぶ抜く」に疑問を呈する学者さんがいらっしゃるそうです。

2018/8/9 デイリー新潮 教育上いいの? 「池の水ぜんぶ抜く」の“殺生正当化” 専門家が指摘

 

個人的には、この方の意見をもっと伺うべきかと思います。

よりよい番組を作るためのヒントに溢れているからです。

 

①何が批判されているのか?

 

記事より引用1

「外来種だからすべて駆除という考えは極端すぎる。いかがなものかと思います」
番組では、それぞれの生態系をどうしたいのか目標を立てずに、外来種の駆除だけが目的のような印象が強い。私も外来植物の駆除を行っていますが、場所によっては在来種を除去することもある。目標によってケースバイケースで必要な駆除が異なるのです」

 

この意見へは全面的に賛成です。

TVショーとしての演出とはいえ、専門家には歯がゆいのでしょう。恐縮ながら私は番組を見たことがないのですが、

「外来種のブルーギルは殲滅しろ!でも在来種は守れ!」

「複雑な生態系など考えるな。とにかく殺せ。それが正義だ!」

と映っているのであれば、伝え方を工夫したほうがいいのかもしれません。

 

さらに気になったのは、次の個所です。

記事より引用2

「仮にその動物が悪だとしても、子どもたちに乱暴に動物を抹殺させるのは、教育上、いいとは思えない。自然を守るためでも、動物の駆除は大人が行えばいいこと。市民参加でイベントのようにするものではないし、ましてやテレビで面白おかしく放送することでもありません」

 

「子どもたちに乱暴に動物を抹殺させるのは、教育上、いいとは思えない。」

そうとも限らないと思います。

もちろん程度問題ではありますが、「子どもだから」こそ乱暴な抹殺が許される面もあるからです。子どものうちにそういう経験をするのは、必ずしも悪ではないのではないでしょうか。

というのも、多くの子ども達と同じように、私にも虫や小動物を虐待した経験があるからです。

 

 

②子どもによる小動物への虐待の免責

 

私事ではありますが、筆者の子ども時代の罪を告白します。

ゆるヴィーガンになった今だからこそ懺悔させて下さい。

 

・トンボの羽をむしって胸に止まらせると、彼等はしがみつくことしか出来なくなります。この原理を利用した「バッチ集め競争」なる戯れに参加していました。もちろん終わったら生きたままポイ捨てです。

・カエル爆竹は定番でした。楽しかった記憶があります。

・セミの羽をおままごとのお金に使用していました。アブラゼミの羽は10円。ミンミンゼミの羽は100円です。傍らには、哀れなセミがゴロゴロしています。地獄絵図ですね。

・花火をすれば寄ってくる蛾を丸焼きにしました。時には積極的に追いかけて。

・幼児期には飼い犬すらよく叩いており、遊んでるんだか虐めてるんだかの状態にありました。

記憶は定かではないものの、他にも多くの悪行に手を染めてきました。

 

小動物を虐待する子は犯罪者に成長するイメージがありますけど、それほど強い相関関係はないと思っています。

子どもに小動物を虐める習性があるのは、古今東西変わりません。特に昆虫は昔から子どもの遊び相手であり、身を挺して命の儚さを教え続けてくれました。

人間の子どもに限らず、子犬や子猫も虫と遊んでるうちに殺してしまうことがよくあります。つまり子どもはそうやって学んでいくのです。

それで虫たちが絶滅することはないのだし、自然の恵みとして子どもが”消費”するのは罪ではないと考えています。もっとも人間側のエゴに過ぎないことはわかっていますが。

 

 

さて、

「子どもたちに乱暴に動物を抹殺させるのは、教育上、いいとは思えない。」

 

これは本当なのでしょうか?

 

子どもはほっといても動植物を殺してしまう生物です。

確かに褒められたものではありませんし、教育上最適なやり方ではないでしょう。

しかし、、範囲を限定して機会を与えるなら問題とは思いません。逆に動植物とロクに接したことがないまま大人になるほうが怖いです。現代っ子はそっちのがリスクが高いように見えます。

 

専門家はこうも言っています。

「動物の駆除は大人が行えばいいこと。」

 

本題はここです。

肝心の大人たちにしても、一部の専門家を除けば何もわかっちゃいないからです。せっかくのTV番組なのですから、大人向けの教育として発信も視野に入れるべきでしょう。

 

 

③真の課題は大人たちの理解不足

虫をぶっ殺す子どもが猟奇殺人者に育つ確率は極わずかですが、生物をぶっ殺せないまま肉を食べ続けた子は、極めて高い確率で猟奇肉食者に育ちます。

食べるけど殺すのは嫌だ。私たちは食べるだけにさせろ。殺すのはお前らの役目だ」

と、屠畜に従事する人々を差別しだす始末です。

 

彼らはこう言います。

「肉を食べるのはグルメだ。ペットを愛でるのは文化だ。家畜を絞めるのは穢れた仕事だ」

「菜食主義だ?引っ込んでろ気持ち悪い連中め」

 

殺生を覆い隠したせいで、不自然な大量殺生に気づかない大人が量産されている現実があります。

ぶっちゃけ大人の理解度は子供よりも低く、感性も鈍っているせいか新しいものを受け付けなくなっています。洗脳されたような状態です。

それでも、大人が変われば自ずと子どもたちにも伝播します。つまりそいつを見越した、大人向けの教育効果を狙った演出を加えれば…

更にいい番組にできるはずなのです。

 

 

④今後の演出のご提案

 

番組で特定外来種を処分するのは仕方ないとして、その後にフォローの説明を加えるのはどうでしょう。大人にも子どもにも聞いてもらえる形で。(既にやってそうな気がしますが)

 

・生物は生態系という大きな繋がりの中に暮らしていて、決して単独では生きられないこと。

・生態系は常にゆるやかに変動しているのだが、それを劇的に乱す存在が外来種であること。元の状態に戻せない程の変化を起こす場合があるので、在来種とは分けて扱う必要があること。

・がしかし、外来種のブルーギルなら殺していいというのは、あくまで人間の都合に過ぎないこと。

・もちろん人間自体もその生態系の中に生きている事。

 

 

の説明を加えれば番組がグッと締まる筈です。

初歩的な知識ではあるけれど、本当の意味で理解するのは大人でも難しい近い内容です。

その辺を面白おかしく表現できたなら、素晴らしい番組になるでしょう。

 

命の重さと同時に、その耐えられない軽さも伝えて頂ければ・・・

それだと視聴率がでないのかな?

 

 

ぜんぶ押す

 

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コメント

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