フォアグラ弁当は残酷?古事記(712年成立)の時代から続く難問

食の思い込み
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芸能人は歯が命。

そして食べ物はイメージが命です。

 

グロい食べ物でも、珍味と聞けば食べられます。

逆に美味しいものでも、ゲテモノ扱いされていたら、食べたくなくなるのが人情です。

無理もありません。神様でさえ同じ悩みを持っていたのだから。

神さまもグロい食べ物が嫌いだった

日本の成り立ちをテーマにした神話「古事記」にこんなエピソードがあります。

 

スサノオという若くヤンチャな神は、とある事件で疲れ果て、お腹を空かせていました。

そんな折、たまたま出会ったオオゲツヒメという女神に料理をもてなしてもらいます。しかし料理の食材は、彼女の鼻の穴や口、果てはお尻の穴から出てきたものでした。

偶然にも、調理の様子を覗き見たスサノオは・・・


「うわ!汚ねぇ!」とドン引き。更にブチ切れて、オオゲツヒメを殺してしまいます。

そして彼女の亡骸から様々な芽が生えて、今日人間が食べているお米や麦が誕生しましたとさ。

 

というお話です。こうして日本初の食育が施されました。

まさか神にも食のタブーがあったとは。展開もワイルドだぜ。古事記が成立した時代でも、食べ物の見た目に対する感覚は現代と同じだったのかもですね。

 

どうやらスサノオとしては、料理そのものではなく食材の生産方法が気に喰わなかったようです。このエピソードはまるで、ファミマでフォアグラ弁当が販売中止になった話みたいです。

 

フォアグラは2014年より残酷になったらしい

フォアグラ弁当事件の背景を説明しますと、

フォアグラは世界三大珍味として日本でもお馴染みで、結婚式なんかでよく振る舞われる高級食材です。

2014年にファミリーマートがフォアグラ入りの贅沢な弁当を企画したところ、生産方法が残酷だ!と抗議が(記事によると22件)来たことなどを踏まえ、販売を取りやめました。

時代の変化を示すこの判断は、驚きをもって報道されました。

 

 

で、問題のフォアグラを作り方なのですが・・・

狭いゲージにアヒルを詰め込んだ後、無理やり喉にチューブを突っ込んで食物を流し込み、強制的に太らせるという方法だそうです。確かにアヒルにしてみれば拷問でしかありません。

 

なぜ急にNGになったのか?

でも、そんなの他の家畜だって似たり寄ったりでは?他の肉料理はよくて、なんでフォアグラはダメなのか?

 

それはひとえに、イメージの問題です。

 

 

見た目のエグさを広く知られてしまったからです。

かといって、家畜を快適に育てられる環境を用意するにはコストがかかります。値段が高いと消費者はそっぽを向いて、より安い品を買うようになります。

結局は商品ですから、コストとメリットを秤にかけて、商品は世に送り出されるかが決まるわけです。エグさなど誰も気にしなかった。

 

 

スサノオはこの事件をどう思うだろう?

話は変わりますが、古事記を読み進めると、当初は未熟だったスサノオが立派な神に成長していく様が描かれています。

もし可能なら、私は現在のスサノオに聞いてみたい。

 

Q1:あの経験を経て、今は食に対してどんな考えを持っていますか?

Q2:ファミマの事例についてはどう思いますか?

Q3:フォアグラがナシでほかの肉はアリだとしたら、どこにOKラインを引きますか?

Q4:5秒ルールについてはどう思いますか?

Q5:動物のうんちから採取する高級コーヒーについてどう思いますか?

 

食育の神よ、かしこみかしこみ、回答をお待ちしております。

 

まぁフォアグラにしてもどんな食材にしても、誰もが納得するルールを定めることは当分ムリだと思っています。だって感情論だもの。

まずは各自が事実を知って、自分なりの考えを確立して、自由に意見交換ができるようになるといいですね。

 

別に感情的になったって構いません。

神様のクセにプッツンした誰かさんも、きっと赦して下さります。

 

現実を直視できない弱さも、ヒステリックに愛誤を叫ぶ幼さも、大目に見てくれること間違いなしです。

食育はそこから始まります。

 

 

 

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写真提供:フリー写真素材ぱくたそ 様

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