葬式は要らない。いや、必要だ!と少し前に話題になりました。
葬式に費用対効果を感じない消費者が増え、散骨や直葬の希望者が増えているそうです。
個人的にも古い慣習には疑問を感じます。葬儀は崇高な文化なのに、世間体を盾に100万も200万も払わせるだなんて。需要を埋めるように数万円~からの散骨サービスも整備されてきました。
これは日本の葬儀ニーズが「ガンジス川化」してる?
なぜなら、ガンジス川におけるインドの葬儀文化は直葬や散骨の究極系だから。
簡素な儀式をして焼いて流すだけです。葬儀費用が工面できない人の場合は焼かずに流すのさえOKらしい。葬儀や遺体が特別視されず、日常に溶け込んでいるという訳です。
(詳しくないので想像です。文章の大意には影響しないので大目に見て下さい。)
これを原始的と見るか、日本のずっと先をいっていると見るか。ちょっと考えてみました。
なぜインドでは葬式の要不要で揉めていないのか?
葬式を行う意義について、日本の葬儀業界による公式見解があります。
お葬式には、故人が亡くなった事実を関係者に知らせる役割があります。
2.遺体の処理
遺体には保冷処置を行い、最終的には火葬して遺骨として扱います。
3.霊の処理
宗教的に故人の霊を見送ります。
4.悲嘆の処理
お葬式には、遺族の悲しみを和らげる効果があります。
5.さまざまな感情の処理
人が死ぬと、残された人たちの心をざわつかせます。さまざまな儀式を通じて、それを緩和する効果もお葬式にはあります。
6.教育的役割
大切な人の死から学ぶことで人生観さえ変わることもあります。 たとえば、お葬式は命の尊さやはかなさを教えてくれます。
1.社会的な処理 + 2.遺体の処理 = 現実的、物理的なケア
3.霊の処理 + 4.悲嘆の処理 + 5.さまざまな感情の処理 + 6.教育的役割 = 精神的なケア
と分類します。
日本で直葬や散骨を望む人々は、
現実的、物理的なケアは葬式をせずとも達成できる。
精神的なケアは葬式以外で既に満たされている。
ガンジス川葬儀の場合でも、
1.社会的な処理は葬儀とは直接関係ない。
2.遺体の処理は除外(汚染が社会問題になってる)するとして、
と考えているのかも。だとすれば日本もインドも大差ありません。
日本では社会が豊かになった結果、既存文化や宗教に頼る必要がなくなった、つまり成熟したのかもしれません。
日本人が精神的なケアを葬式に求めなくなったと過程すれば、葬儀ニーズが「ガンジス川化」するのは当然です。
インドに至ってはとうの昔からニーズが無かった。とっくに満たされていたから。(功罪あるけれど、、)
ならば過去の葬儀業界は消費者の無知が支えてきたってことなのでしょうか?葬儀業界には死活問題だけど、消費者にとっては良い体制への移行期だと?(よくわかりません。)
今後の葬儀文化について
日本にもガンジス川(の機能を持つ何か)を整備する必要があります。
現実的、物理的なケアは葬儀文化の多様性、選択性の担保。
精神的なケアはもっと妥当な値段にて、出来れば日常生活に浸透する形にて。(あとこれを葬式の専売特許だと捉えるのは違います。)
精神的なケアは本来死ぬ前に済ませておくべき事柄です。葬儀の際に急ごしらえできる代物ではないので、あらかじめ準備しておく他ありません。
宗教色はあってもなくても構わないから、個人が好きなのを選んで備えておくのがよいです。本来宗教とはそういうものですし、最近は若い宗教家や作家が易しい言葉で表現活動をするケースが増えています。
直送や散骨を選択する方の多くは、その辺を納得できるまで勉強なさっているのではないでしょうか?だから迷いなく選択できる。
それらがもっと浸透した上で、各自が好きなスタイルを選べる環境さえ担保すれば解決です。葬式はあってもなくてもいい。無理なく自由に選べるかどうかだけが問題です。
そんな死者も遺族も尊重したスタイルが、真の意味で洗練された葬儀文化だと思うのですが。
簡単にまとめると、
今後は直送や散骨などの簡潔な葬式を充実させつつ、今まで葬式が果たしていた(ホントに?)という精神的なケアという機能を、別のサービスで埋めていけばよいのでは?
それこそプロである葬儀業者やお坊さんの出番じゃないのかな。
私としては、そこに禅の知恵を役立てたい。わかりやすい小噺を一つご紹介します。
丹霞焼仏
あるお寺での出来事。その日は超寒かった。
(´ー`) 「さむいな。たき火して暖ったまろ。」
(´ー`) 「イエー!あったかいぜ。」
(゚Д゚;) 「ん?そのたき火の薪はどこから持ってきた?」
(´ー`) 「イエー!生き返るぜ。」
(゚Д゚;) (ん?仏像が一体消えてる・・?)
(゚Д゚;) 「・・お前まさか、仏像を壊して薪にした?」
(´ー`) 「そだよ。仏様のありがたい遺骨を拝みたくてね。」
(゚Д゚;) 「テメーなんてことしやがった!消し炭に価値なんてねぇよ!」
(´ー`) 「じゃあ責められるいわれもないね」
(゚Д゚;) 「・・・」
(´ー`) 「イエー!薪を追加するかな。」
三途の川でバラフライ
アイキャッチはPixabayのdMzによる画像です
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