ここ最近、世界中で最も追悼された故人は、フレディ・マーキュリーだと思います。
2019/4/15 rockin’on .com 映画『ボヘミアン・ラプソディ』、世界中での興行収入が1000億突破!
この映画を見れば、お墓の有り無しなんてどうでもよくて、故人への愛情が全てだと思い知らされます。
フレディ・マーキュリーのお墓は非公開
世界的なバンド、QUEENのリードヴォーカルであったフレディは、エイズによる合併症で1991年に亡くなりました。しかし彼の死後も作品は売れ続け、そのパフォーマンスは世界中に影響を与え続けています。
そんなスーパースターのお墓は、非公開とされています。故人を追悼するために、お墓は必ずしも必要ないという良い例です。
弔いの体裁やお墓なんて些細な問題です。故人を愛し敬う気持ちさえあればいい。逆にお墓はあっても気持ちが伴わない場合、そんな追悼を故人が喜ぶでしょうか?
そして皮肉なことに、フレディのお墓は本人の意図に反し、公にされてしまいます。
livedoor news 2013/3/5 故フレディ・マーキュリーさんの墓と思われた場所から金属版が消滅
その後墓碑が消えたようですが、心無いファンが盗んだのか、あるいは関係者が場所を移したのか。どちらにしても、彼はそれを望まなかったでしょう。
お墓を作ったことで、かえって故人を悲しませるケースもあります。まぁメアリーは「フレディは絶対にその墓地にはいない」と否定しており、公式には墓地の場所は不明とされていますけど、、。
非公開とした理由の推測
彼の出生名は「ファルーク・バルサラ」であるらしく、「フレディ・マーキュリー」は音楽活動のために改名された名前です。芸名ではなく、法的に本名を変えてます。
これはパキスタン系の名前だとロックスターのイメージに合わない、という本人の考えに由来しているようです。さらに彼は、例えバンドのメンバーからであっても、移民である出生背景に触れられるのを嫌ったといいます。それらの情報がお墓には明記されているため、お墓の公表を望まなかった可能性は高いです。
他にも、エイズ罹患を死の直前まで隠していたこと、歌詞に小難しい思想を盛り込まず、大衆を盛り上げることに徹するスタイル、などの性格が影響したのかもしれません。楽曲やライブパフォーマンスからも、その姿勢が読み取れます。
最後までパフォーマーを全うするフレディの姿は、映画でも表現されていました。だからって死後も有名税を払い続けるとは気の毒です。
昭和の大スター、美空ひばりの場合
私の実家近くに、美空ひばりさんのお墓があります。
フレディに比類するスターである彼女のお墓は、プチ観光名所と化しており、公共墓地であるためか献花が絶えません。
普通の墓参りだけならいいんですけど、スターであるが故にそれは無理な話です。中学時代にバンドをやっていた友人がこう言ってました。
「美空ひばりのお墓の前でX JAPANの「紅」を弾いたけど、何も起きなかったぜ!」
アホな中学生から音楽の神に祭り上げられた、美空ひばりさん。
彼らが本気でプロを目指していたのなら・・・人はかわいい、かわいいものですね。
桑田佳祐さんの自宅前にデモテープを置き、「コーラスでいいから雇ってください!」と置き手紙を残した平井堅さんのようです。(笑)
これ位はいいとしても、ヒドイ輩は遺骨を掘り起こしたります。
もし単なる肝試しであれば・・・人は哀しい、哀しいものですね。
スターは死後も有名税からは逃れられません。お墓は格好の餌食です。そしてお墓は美空ひばりさんだけのモノではなく、ご家族たちが眠る場所でもあります。
彼女がお墓について、どんな考えをもっていたかはわかりません。フレディとは真逆で「ファンに弔いの場所を提供したい。」と考えていたのかもしれません。
あるいは、場所を秘密にしたいと思っていたかもですね。
大切なのはお墓ではなく愛情
お墓は持たないとミジメ、持っていても維持が大変、と日本では長らく思われてきました。
そもそも本当にお墓は弔いに必須なのか?
・・もう遺骨にこだわるのは、やめてもいい頃合いでは?
どうしても欲しいなら、遺骨とは無関係な慰霊碑を別に作ればいいんです。
・・もう無理してお墓を工面せずに、何もなしで良いのでは?
故人への愛情さえあれば、丁寧な供養さえあれば、他はもういいじゃないですか。お墓があろうがなかろうが、故人への追悼に支障はありません。フレディや美空ひばりのようなスターでなくたって同じです。
・・死後にまで、この世的な価値観で振り回されることを、誰が望みますか?
二人の偉大なシンガーは、愛を込めた作品を世に送り続けました。
平凡な私たちでも、愛を込めた供養ならできるはずです。お墓の有無は関係なく。
ギター:Free-PhotosによるPixabayからの画像
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